不合格/合格体験記 (二)通塾

二 通塾

とにかく数学がまずそうだ、ということはわかっていた。この頃、文理選択や進路などは右往左往ありつつも、文系で行くことにした。その一因には数学を回避しようというのも無かったではない。が、私としてはたとえば日本語日本文学がやりたいとか、社会科が好きであるとか、そういった積極的な姿勢で選択したという印象が強い。ゆえに「文系は数学ができないから文系なのだ」といった傲慢な偏見とは、やはり無縁であった。

閑話休題、英語と数学に限って塾に通うことにした私だったが、なかなかどうして急に役立つということはなかった。英語は、英文法については学校では触れないので為になったものの、細かい英文法はさして読解力向上に資さない。第一に単語や語法の知識があるのが前提で、さらに精密な解釈において初めて発展的な英文法が登場する印象である。英語学習の一丁目一番地である英単語、英熟語、語法を怠っていたのでは、そして予習復習をしなかったのでは、縦令塾へ行こうとも役立たない。数学も同様であった。

そもそも、英語や数学、国語というのは、結局のところ淡々と問題をこなすばかりの授業になりがちである。社会科のように、何か特段面白い話を聞けるといったことは少ない。あくまで問題を解いて、その間違いから学んで、というフィードバックのサイクルが作れない限り、塾へ行っても仕方ないのだと思う。塾通いであまりにいっぱいいっぱいになってしまって、復習の暇が無くなってしまうくらいなら、自習を中心にするのも一つの手だと思う。——尤も、高2時分の私の場合は週2日通う以外は余裕に満ちていて、私が勉強時間を積み重ねなかったという一点に集約されるのだが。

こうして私の高校二年生は終わった。

 

いよいよ残り一年。次回、ついに本気を出す……?